不動産分野では、上位級に向かう程、税金計算に目がいってしまい、忘れがちになってしまいます。けど、
この分野もとても重要で、1級学科試験では、この問題を落とすと命取りに成りかねないので3級時点で基礎をしっかり理解しておきましょう。
土地・建物・境界の3羽ガラス
建蔽率・容積率・接道義務とセットバックは3級実技から1級実技試験まで必ず出題されている論点です。理解していれば、必ず得点源(配点は高い)になり、そして1級学科試験の応用編においては、間違ってしまうと命とりに成りかねないので3級でしっかり押さえておきましよう。
セットバックは慌てずに・・
接道義務
まずは、おさらい、接道義務です。原則として(2項道路があるため)、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない。
数値を逆にしないように。。。
最近の建売住宅で、建物が前と奥に互い違いに立っていて奥の家に道があるのを思い描いてください。(公道に細長く伸びていますね。これは接道義務を守っているからです。)
セットバック
現在の建築基準法では、道路は4m以上なければ建物を建てることができません。
しかし、建築基準法が施行される前に存在した道路は、特定行政庁の指定を受け、道路と見なされ、現状維持が許されています。これを2項道路といいます。
ただし、建物を再建築する場合は、4m以上の道路にしないと建築許可が出ません。(建築基準法で決まっているので。。。)この時、自らの土地を削って行う行為をセットバックと言います。
セットバックは、道路の中心線から見ることを忘れずに
3mの道路ならば、お互いに0.5mづつ自分の土地を出し合って4mにする
反対側が崖とか、川であると、お互いに分けられないから
3mの道路なら、自分の土地を1m出して4mにする
3級、2級では、この計算は難しくないですが、1級学科試験応用編では、焦りすぎると0.5mとか1mとか間違って算出して計算を間違ってしまうので注意すること(建蔽率と容積率に響いて全て失点します😰)
建蔽率(けんぺいりつ)は簡単そうで慎重に・・
建蔽率は、敷地面積に対する建物の建築面積の割合をいいます。つまり、土地全体に対して建物の面積の割合ですね。これは単純ですが、そこに建蔽率の緩和が入ってくるので厄介者になります。
- 防火地域・準防火地域内の緩和
① 建蔽率の最高限度が80%とされている地域外で、かつ防火地域内にある防火建築物等について
② 準防火地域内にある建築物で耐火建築物等または、準耐火建築物について
①、②のどちらか満たせば建蔽率は10%プラス - 角地等の緩和
特定行政庁が指定する角地(T字とかL字の角に住宅等がある)の場合、
建蔽率が10%プラス - 上記の防火地域・準防火地域の緩和と角地等の緩和の両方満たす場合、20%プラスとなる
例えば、建蔽率が50%で防火地域内に耐火建築物がある場合、その建蔽率は 50%+10%=60%となる。
さらにこの建物が角地にあった場合、
60%➕10%=70%となる。
ここで、忘れがちなのが建蔽率の制限がなくなり、100%になる場合があります。
- 建蔽率の制限がないもの
建蔽率が80%とされている地域内の防火地域内で耐火建築物を建築する場合
➡️➡️➡️建蔽率は100%となる
この100%になるこを頭から抜けないようにしておきましょう
自分が受験した2024年5月1級学科試験に出題されて、頭から抜けていて失点し、😭😰😓苦い思い出があるので気を抜かず、慌てずいきましょう
容積率はそのままに・・
容積率は、敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合をいいます。容積率にも制限がありますね。
- 前面道路の幅員が12m以上の容積率
指定容積率➡️➡️➡️問題分に示してある容積率 - 前面道路の幅員が12m未満の容積率
①指定容積率➡️➡️➡️問題分に示してある容積率
②前面道路の幅員❌法定乗率
住居系:4/10 その他6/10
①、②の小さいほう
4/10とか6/10は、それぞれ40%、60%の意味です。
小さい方とは、
- 例えば、前面道路が6mで
指定容積率300%
法定乗率 4/10,6/10 と問題文にあった場合の容積率は? この時、住居系だった場合とする。
ⅰ指定容積率の300% か
ⅱ6m(前面道路)❌ 40%(法定乗率4/10)=240%
ⅰ、ⅱの小さい方が容積率として採用するので240%が容積率となる
1級学科試験では、この容積率から延べ面積を求める問題が必ず、出題されますが、容積率にかける面積は、建蔽率で求めた面積ではなく(土地の面積に建蔽率をかけたり、緩和してる面積でもない)
その土地のそのままの面積にかけることに注意する。(ただし、セットバック分だけは、引いて土地の面積を算出したもの)
学科試験では、建蔽率、容積率はセットバック分を『含めて、または、含めないで』算出するかどうかを問われることがあります。
これは、『含めない』が正解です。
3級では、ここまで出題されないと思うので、問題集で復習しましょう
チェックポイント
3級では、
① 接道義務、セットバックとは何かを理解する
②建蔽率とは何かを理解する
③建蔽率の緩和とは何かを理解する
④容積率とは何かを理解する